戦争の話 ②

さて戦争の話は理屈を出すと難しくなってしまいますので、なるべく皮膚感覚で考えてみましょう。インドシナ半島の両雄といえばタイとわがベトナムです。仮にこの２国が戦争したとしたらどちらが勝つでしょうか。細かな軍事力のデータなど関係なしです。タイ人の穏やかな物腰とベトナム人の喧嘩腰の姿を考えると、何となくベトナムの方が強そうな気がします。私の予想では、緒戦はベトナム優勢、中盤以降はタイ優勢で結果はタイの勝利となりそうな感じです。根拠はこの両民族の性格を戦争に図式化したもので、ベトナム人の場合は最初にクライマックスがやって来て、その後時間の経過とともにボルテージが下がっていくのが分かります。そして結果もうやむやなまま三々五々散って行くといった有様です。対してタイ人はといいますと、いきなり発火点に達するということはありません。怒り暴れる相手をただただじっと黙って見つめながら、相手が疲れてきたところを見計らってドカーンと爆発、といった感じなのです。まあケンカに例えましたが、タイという国は王様の国で、王国王様を守るために国民は一致団結して戦うというのは今でも現実的で立派な大義名分です。また今のクーデター後の政権もそうですが、非常に軍部が強い政治力を持ってますので、戦争のような非常事態では圧倒的な強さを発揮するものと思われます。対してベトナムは、というと…