金融危機（3）

ベトナム経済の弱点は何といってもエネルギー関係の多くを輸入に頼っていること、裾野産業が貧弱なため原料や資材、機械、部品といったものの多くを輸入しなければならないことです。WTO加盟で貿易障壁は極力避けなければならなくなったので、貿易赤字が拡大するという理由で規制するわけにもいきません。そんなことをしたらベトナムの輸出品も相手国から制限されてしまいますから。ドイモイ政策でとにかく手っ取り早く外資導入することばかりに注力したため、かえって自国産業が息長く成長する時間がなくなってしまいました。日本のメーカーももちろんですが、現地で組み立て、現地人に売る、もしくは第3国へ輸出する、といっただけでは表面上のGDPは伸びますが、自国に根付いた産業が育ちません。NOKIAに代表されるハイテク産業は言わずもがな、競争は時間との勝負ですので、すべてのパーツは輸入か現地進出の外資企業からの調達でしょう。これでは景気がいい間はいいですが、世界的不況になれば当然これら外資というのは自国へ逃げて行くわけです。後には空っぽの工場しか残りません。たとえそこでベトナムのローカル企業が外資から得たノウハウで
何か同じことをやろうとしても、国民はすでに一流ブランドに慣れきっていますので、ローカルブランドには目もくれないわけです。車、バイク、電化製品、携帯電話、すべてローカルの出番は無くなってるわけです。－続く